「子どもに寄り添う」ってどういうこと?関わり方を見直すヒント
保育士や保育士を目指す方が「どんな保育士になりたい?」と聞かれたら、どう答えますか?実際に、多くの保育士が「子どもに寄り添う保育士」と答える方が多いのではないでしょうか。
「子どもに寄り添う」という言葉はとても理想的ですが、実践しようとすると難しさもあります。今回は「子どもに寄り添う」とはどういうことなのかを整理した上で、子どもとの関わり方のヒントを紹介します。
「子どもに寄り添う」とは?
「寄り添う」という言葉は、ふわっとしていて人によってイメージが違います。やさしく声をかけること?困っているときに助けること?気持ちを受け止めること?もちろん、それらも大切ですが、もう少し踏み込むと、「寄り添う」 とは「その子を理解しようとし続ける姿勢」です。
「子どもに寄り添える保育士」になるには
寄り添うために大事になるのが、「子どもについて学ぶ」ことです。子どもの姿は、目の前の行動だけで決まるわけではありません。
- 発達段階(今どこまでできる時期なのか)
- 性格や気質(慎重・活発・こだわりが強い、など)
- 育ってきた環境(家庭での過ごし方や安心の形)
こうした要素を多角的に見ていくことで、「なぜ今この行動をしているのか」が少しずつ読み解けるようになります。すると、同じ行動でも見え方が変わり、「どう関わるのがよさそうか」の選択肢が増えていきます。
関わり方に悩んだときの“軸”と、声かけのヒント
子どもとの関わり方に悩むのは真剣な証拠
子どもと関わる中で、「この関わり方でいいのかな?」と不安になる瞬間は誰にでもあります。こうした悩みは、保育士として真剣に向き合い、子どもを大切に関わりたいと思っているからこそ生まれるものです。そこで大切なのは、「関わり方の軸を持つ」ことです。ここからは、子どもとの関わりについての考え方と、具体的な声かけのヒントを紹介します。
子どもを「評価」「コントロール」しない
関わり方が苦しくなるとき、無意識のうちに「言うことを聞いてほしい」「望ましい行動をさせたい」という方向に寄ってしまうことがあります。もちろん安全や集団生活のために伝えるべきことはありますが、子どもを「操作する対象」として見てしまうと、子ども側も大人側も疲れやすくなります。
そこで意識したいのが、子どもを「評価」や「コントロール」の対象としてみるのではなく、対等な関係として関わることです。ここでの「対等」とは、立場が同じという意味ではなく、「一人の人間として尊重し、やり取りを重ねていく」という姿勢を指します。
対等な関係のポイント|行動の「背景」と「プロセス」を見る
対等な関わりに切り替えるためのコツは、子どもの行動を「良い・悪い」の「評価」で切る前に、「背景」と「プロセス」に目を向けることです。
-
背景:なぜその行動をしたのか(気持ち・状況・理由)
-
プロセス:どうやったのか(工夫・試行錯誤・頑張り方)
この2つに目を向けると、声かけが「評価」ではなく「理解」に近づきやすくなります。
声かけの基本形|「すごいね」で終わらせず、具体的に声掛け
子どもを認めたいとき、つい「すごいね!」「えらい!」と言いたくなります。もちろん嬉しい言葉ですが、それだけで終わると、子どもは「何が良かったのか」「どうすればまたできるのか」を掴みにくくなります。そこでおすすめなのが、行動そのものに焦点を当てて具体的に声かけをすることです。
- 「今の、どこを工夫したの?」
- 「どうやってできたの?」
- 「さっき、◯◯してみようって考えてたね」
「評価」よりも「観察と言語化」に近い声かけにすると、子どもは自分の行動を振り返りやすくなります。

関わりが変わると、保育も変わる
子どもを「評価」や「コントロール」の対象として見るのではなく、対等な関係として、行動の背景やプロセスに目を向ける。こうした関わり方に切り替えていくと、保育の中で起きる変化も少しずつ変わっていきます。
子どもと保育士が「一緒に育つ関係」に変化する
関わりの中心が「言うことを聞かせる」から「理解してやり取りする」に変えることで、子どもは自分の気持ちや考えを表現しやすくなります。保育士も、子どもの反応を見ながら声かけや関わり方を調整できるようになり、関係が一方通行ではなくなります。その積み重ねが、「子どもと保育士がお互いに学び合いながら育つ関係」へつながります。
子どもとの関係がラクになる
背景やプロセスを見て関わると、子どもの行動を「困った行動」としてすぐに裁くのではなく、「理由がある行動」として捉えやすくなります。
すると、注意や声かけの目的がはっきりし、必要以上にぶつかりにくくなります。子ども側も「見てもらえている」「わかってもらえそう」という安心感を持ちやすくなり、関係が落ち着いていきます。
保育に余裕が生まれる
関係がラクになると、保育士側の気持ちにも余白ができます。「うまくいかない→焦る→強い言葉になる」といった悪循環が減り、関わり方を選ぶ余裕が生まれます。余裕があると、子どもの小さな変化に気づきやすくなり、保育の見通しも立てやすくなります。
関わり方を変えることは、特別なテクニックを増やすことではありません。子どもの行動を「理解する視点」に切り替えることで、子どもとの関わりが変わっていきます。迷ったときは、「この子は今どう感じている?」「どうやってここまでやった?」に立ち返るだけでも十分です。小さな積み重ねが、子どもとの関係と保育の余裕につながっていきます。
保育技術の基礎を学べる研修
2月10日に京都府で行われる「保育士就業サポートアップ研修会」では、先ほどのような「子どもに寄り添うとは何か」「子どもとの関わり方」など、保育現場で使える保育技術の基礎を学ぶことができます。保育の仕事に関心のある方は、どなたでも参加できますので、この記事を読んで興味を持った方は、ぜひご参加ください!
参加を希望する方は、京都府保育人材マッチング支援センターの連絡先(075-252-6333)に直接ご連絡ください!



