保育士を「辞めたい」原因1位は人間関係|就職・復職前に知っておきたい『心が楽になるコツ』
保育士として就職や復職を考えるとき、多くの方が不安に感じるのが「人間関係」です。職場に馴染めるだろうか、どう思われているのか、うまくやれていないのではないか——。こうした悩みは、決して特別なものではありません。実際に、東京都が令和4年度に行った保育士の実態調査によると、保育士の離職理由の第1位として「人間関係」(31.5%)が挙げられています。

(出典:令和四年度 東京都保育士実態調査)
この記事では、保育の現場で感じやすい人間関係の不安を整理しながら、「相手のこと」と「自分ができること」を切り分けて考える視点を紹介します。少し考え方を変えるだけで、心がぐっと楽になることがあります。
人間関係の悩みが生まれる理由
保育の現場で感じる人間関係の悩みの多くは、「相手が自分をどう思っているか」「どのように評価されているか」に意識が向いている状態から生まれます。周囲と良い関係を築こうとする気持ちがあるからこそ、不安は強くなりがちです。
しかし、「相手がどう感じるか」「どう評価するか」は相手自身が決めることです。自分でコントロールできない部分まで背負ってしまうと、不安や緊張は大きくなってしまいます。人間関係の悩みを軽くするためには、まず「相手のこと」と「自分ができること」を切り分けて考える視点を持つことが大切です。
【就職・復職を目指す方へ】よくある悩みと向き合い方
職場に馴染めない・評価が気になる理由
就職や復職を目指す中で、次のような悩みを抱える方は少なくありません。
- 職場の雰囲気にうまく馴染めない
- 周囲からどう思われているのかが気になる
- 自分だけ置いていかれているように感じる
こうした悩みが強くなると、「もっと頑張らなければ」「迷惑をかけてはいけない」と、自分に厳しくなりすぎてしまうことがあります。
人間関係に振り回されないための考え方

しかし、ここで一度立ち止まって考えてみてほしいのは、「自分でコントロールできること」と「できないこと」の違いです。「相手が自分をどう評価するか」「どのように感じるか」は相手が決めることであり、自分では変えられません。一方で、自分ができることははっきりしています。
- 挨拶をする
- 分からないことは質問する
- 誠実に仕事に向き合う
- できないときは助けを求める
まずは自分ができる行動を意識して、それを続けていくことから始めてみましょう。「相手がどう思うか」と「自分ができること」を切り離して考えることで、すべてを自分で背負わなくてよいと気づくことができるようになります。
この考え方を実践することで、自分の軸で人と関われるようになり、必要以上に気を遣わずに済むようになります。就職や復職の不安をゼロにすることはできなくても、向き合い方を変えることで、心は確実に楽になります。まずは、自分ができる行動を意識して続けていくことから始めてみましょう。

【保育士を目指す学生さんへ】よくある悩みと向き合い方
保育実習や新しい職場で感じやすい人間関係の不安
保育士を目指す学生にとって、保育実習や新しい職場は大きな環境の変化です。中でも多く聞かれるのが、先輩保育士との関係に対する不安です。
- 職場に馴染めるだろうか
- どう思われているだろうか
- ミスをしたら嫌われるかもしれない
忙しそうな先輩に声をかけづらく、相談をためらってしまうこともあります。しかし、先輩や保護者がどう感じるかは、自分ではコントロールできません。相手の感情や評価まで背負ってしまうと、不安は大きくなってしまいます。
職場の人間関係を楽にする考え方

そこで意識したいのが、「好かれようとしすぎない」という視点です。「相手がどう思うか」と、「自分ができること」を切り離して考えることで、心の負担は軽くなります。
- 「完璧に振る舞わなくても大丈夫」と自分に言い聞かせる
- 気を使いすぎず、でも礼儀は大切に
- 周りの人の機嫌に左右されすぎない
といったことを意識してみてください。
また、「できない自分を隠さない」ことも重要です。もし周囲と比べて落ち込んでしまうときは、比べる相手を「他人」から「昨日の自分」に変えてみてください。「昨日より落ち着いて声をかけられた」「少し丁寧に関われた」そうした小さな変化を積み重ねることで、少しずつ自信に繋がっていきます。
時には、先輩の厳しさに戸惑う場面もあるかもしれません。そのときは、先輩を「役割の人」と捉えてみる視点も役に立ちます。先輩の行動の背景には、子供の安全を守ることや、チームとしての質を保つ目的があり、決して攻撃するためではありません。
「相手の感情」と「自分の感情」を切り離して考えることで、必要以上に傷ついたり、自分を責めたりせずに済むようになります。失敗を恐れすぎず、「どう見られるか」よりも「今、何をすればいいか」に意識を向けるようにしていきましょう。
職場の人間関係を楽にするヒント
共通して言えることは、「人間関係の苦しさは『相手を気にしすぎてしまうこと』から大きくなりやすい」ということです。相手がどう感じるか、どう評価するかは相手の課題であり、自分がどのように行動するかは自分の課題です。まずは、自分ができることに意識を向け、着実にやるべきことを積み重ねていきましょう。
保育現場で使える!アドラー流 心の持ち方を学ぼう
ここまで紹介してきた考え方は、アルフレッド・アドラーが提唱した「アドラー心理学」に基づくものです。アドラー心理学では、人間関係の悩みを整理する視点として「自分の課題」と「相手の課題」を分けて考えることを大切にしています。
2月10日に京都府で行われる「保育士就業サポートアップ研修会」では、アドラー心理学の視点から保育の仕事をする上で役立つことが学べます。保育の仕事に関心のある方は、どなたでも参加できますので、この記事を読んで興味を持った方は、ぜひご参加ください!


