子どもたちと過ごして見えた“保育のリアル” 【京都府保育インターンシップ】
京都府では、保育の現場で働くことの魅力や、子どもと関わる楽しさを実際に体感してもらうことを目的に、今年度、京都文教大学・京都府保育協会と連携し、実証実験として「京都府保育インターンシップ」を実施しました。
このプログラムでは、これまで保育の現場に入ったことのない大学2回生や、就職先選びを行っている4回生を対象に、夏休み期間を活用して、こども園や保育園で子どもたちと過ごす機会を提供しました。子どもたちと一緒に遊び、食事し、日々の生活をともにする中で、保育の面白さや奥深さ、そして“人と関わる仕事”の喜びを感じてもらうことを狙いとしています。
今回は、実際の現場での関わりを通して、学生がどのような気づきや学びを得たのかを紹介します。
インターンシップに参加したきっかけ
京都府保育インターンシップに参加した学生の多くが口を揃えて話すのは、「実習の前に、まずは現場を見てみたかった」という言葉でした。保育を学んでいても、実際に子どもと関わる機会はまだ少なく、「自分に向いているか確かめたい」「将来の自分の姿を具体的に想像したい」という思いが参加のきっかけになっていました。
中には、「授業で聞いた園の話に興味を持った」「就職先選びのヒントにしたい」「子どもと関わる仕事に挑戦してみたい」という動機もありました。
初めての保育現場に緊張しながらも、子どもたちと関わる時間を楽しみにしている姿が印象的でした。
子どもとの関わりで見えた「気づき」

京都府保育インターンシップで実際に子どもたちと関わりながら、学生たちは、「気持ちを読み取る」「信頼関係を築く」「言葉かけの大切さ」について学んでいました。子どもたちの中には、笑顔で話しかけてくれる子もいれば、なかなか心を開いてくれない子も。そんな中で学生たちは、表情や行動の一つひとつから気持ちを読み取り、どう寄り添うかを考え続けました。その結果、
「泡あそびの時、はじめは近づいてこなかった子が、少しずつ笑顔を見せてくれた」
「けんかをして泣いていた子が、“ありがとう”と自分の言葉で伝えられるようになった」
「折り紙で助け合う子どもたちを見て協力の大切さを感じた」
といった、子どもたちの何気ない言葉や行動の中に成長を感じることができました。参加した学生たちは「子どもの行動や言葉の裏にある“気持ち”を理解し、一人ひとりに合った声かけや関わり方を探る」ことが、保育士を目指すための第一歩であることを実感したといいます。
先生から学んだ「プロの姿勢」
保育インターンの現場で出会った保育士の先生方の姿も、学生たちに大きな影響を与えました。特に、保育士の姿勢・声かけ・観察力については多くの学びがありました。
「お茶を飲みたがらない子に、水を飲むと“体の水分メーターが上がっていくよ”と声をかけていた」
「“言えば変えてくれる”と思わせないよう、子どもの要求に安易に応じない指導をしていた」
「子どもに考える時間を与え、すぐに答えを教えない」「目線を合わせて話す」
一人ひとりの子どもに寄り添いながらも、成長を信じて見守る姿勢や、チーム全体で子どもを支える連携の大切さを学んだという声も多くありました。先生方の言葉の一つひとつに意味があることを知り、どんな場面も参加した学生たちにとって学びの機会になっていました。
インターンシップで感じた自分の成長
数日から数週間という限られた期間の中でも、学生たちは確かな成長を実感していました。
「子どもたちと関わる中で観察力がついた」「表情から気持ちを読み取れるようになった」
「困ったときに周りの先生に相談できるようになった」「子どもたちの笑顔に励まされた」
といった「観察力」や「声かけ」など、小さな手応えと喜びが、今後の学びへの大きな原動力になっています。
一方で、「もっと広い視野で子ども全体を見たい」「場面に応じてすぐに行動できる対応力を身につけたい」といった課題を口にする学生も。現場で得た“うまくいかなかった経験”もまた、次のステップにつながる貴重な学びになっていました。
将来の保育士を目指す一歩に

京都府保育インターンシップを終えた学生の多くは、「保育の仕事の魅力や責任を感じることができた」と話してくれていました。子どもたちの笑顔や頑張る姿、子どもたちを見守る先生方のあたたかいまなざしに触れる中で、「自分もこんな先生になりたい」「先生として子どもに寄り添えるようになりたい」と将来のビジョンを描き始めた学生も多くいました。
また、就職を控える4回生からは、「保育士として就職するか迷っていたが、インターンで保育士として働くことに決めた」「インターン先で就職先が内定した」との声も。実際の現場を体験しておくことが、進路や就職先を選ぶ上で就職先や進路を決める際に重要であることを学生たちは実感していました。
保育の現場には、子どもの成長をともに喜び、支え、学び合う時間があります。このインターンシップは、保育を目指す学生にとって、“学びを実践につなげる第一歩”であり、“未来の保育者としての原点”となる経験となりました。これから保育士を志す皆さんも、保育現場を体



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