先輩からの声

安朱保育園(礒淵麻菜さん)

2018.04.02

保育士は「深い仕事」です。

保育士になって現在5年目ですが、経験を重ねるごとに気づくことがあって、理解が深まっていって、この仕事の楽しさも深まっていく感じです。
保育士と子どもの関係、子ども同士の関係性だけでなく、保護者の方々、保育士や職員の方々など、いろんな人との関わり方に、配慮が必要な仕事です。

もし、難しい問題に直面したら、どうしたらいいのだろうと考えて、解決して、次に活かしていく。そのプロセスのすべてに、面白さがあると思います。
今、受け持っているクラスは、3歳児の頃から3年続けての持ち上がりで担当してきた、5歳児のクラスです。長期間の受け持ちなので、子どもたちや保護者の方々との信頼関係をしっかりと築ける半面、慣れすぎてしまわないよう、気をつけることも大切。常に、新しい視点を持つことを心がけながら、日々の保育に向き合っています。

来年からは、担任のクラスを持たない“フリー担当”として勤務することが決まっています。いろいろなクラスを見渡して、サポートやフォローをしていくのですが、私にとっては初めての経験です。
もちろん、保育士としての責任の重さは、今までとなんら変わりませんが、自分自身の新しい立ち位置、新しいあり方を、模索しながら楽しみながら、取り組んでいきたいですね。

でも、深いからこそ面白い!

今年の発表会は、とりわけ印象的でした。
かつて、子どもたちが年中児だった頃には、演ずる役などの分担は、保育士が決めていました。でも年長児になった今年は、子ども自身にやりたい役を聞き、やりたい理由を発表させて、子どもたち同士が話し合って役割を決めて、劇をやりとげました。

本番当日は、保育士が舞台上で付き添うこともなく、子どもたちだけで演技を披露。いきいきと、自信を持って演じるその姿を見て、心からよかったな、と思えました。保護者の方々にも「感動しました!」とほめていただきました。

保育士は、人生の基盤づくりを、手助けできる仕事です。どんどん“できること”が増えていく子どもの姿を、間近で見ることができるのが、この仕事の醍醐味です。
さらに、学生時代に想像していた以上に、子どもひとり一人のことを、深く考える仕事でもあります。
なかなかなついてくれない子どもに信頼してもらうためには、まず私が、その子のことを深く知ること。そして子どもにも私を深く知ってもらうことが、大切だと感じています。
なにより、子どもって面白いです(笑)。やりたいと思ったら、やる。素直にのびのびと、やる。大人と違って、子どもはダイナミックで、発想が大胆で、私にとってはそこが魅力です。

“これからの私”も楽しみです。

卒園式の日に保護者の方が、「仕事でクタクタに疲れて、保育所にお迎えに行った時に、先生方の笑顔を見ると、なんだか元気がでました」と言ってくださったことがありました。
思いがけない言葉に、「そんな風に思ってくださっていたんだ」と知って、すごくうれしかったです。

保護者の方が知っている、家での子どもの様子と、保育士が知っている、保育所での子どもの様子には、違いがあると思います。その両方の姿を、保護者の方と保育士が共有しあって協力しあって、一緒に子どもの成長を見守っていけることに、大きな意味を感じています。
もしこれから結婚しても、親になっても、この仕事は続けていきたいですね。うちの保育所は、産休の後に復職した方も多いので、将来をイメージしやすいんです。
そして、自分が親になった時、より保護者の方の気持ちに、寄り添うことができるかも知れない。親の立場になってこそ、できる保育があるかも知れない。その可能性に期待しています。

これから6年目を迎えるにあたって、新しく出会う後輩たちとも、よい関係を築いていきたいです。子どもたち、保護者の方々、職場の方々…、いろんな人と人との、よりよい関係を探っていくことは、苦労もあるけれど、むしろ“楽しいこと”だと思っています。

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